【経験者が語る】銀行に向いていない人の特徴5つ

銀行について
この記事は約6分で読めます。

こんにちは。元銀行員のしょぼしょぼです。

先日は、元銀行員の立場から銀行業界に向いている人の特徴を3つ紹介しました。

今回は、向いていない人=働く上でつらくなってくる人の特徴を5つ紹介したいと思います。

これから銀行へ就職する人も、やめたいなと考えている銀行員の人もぜひ参考にしていただけたら幸いです。

大前提

銀行は、良くも悪くも「向いていなくても続けられる」業界だと私は思っています。

銀行は安定した雇用が保障されており、仕事ができなくても、まず、いきなりクビを切られるようなことはありません。仮に病気等で長期療養に入った場合にも、職場復帰への手厚い支援が期待できます。

また異例ではありますが、営業等の業務がどうしても合わない時や、職場の人間関係が苦痛となっている時は、個人の申し出で、ジョブローテーションや転勤をさせてもらえる場合もあります。

ストレスに常にさらされる業界ではありますが、それに耐えうる忍耐強さがあったり、原因にうまく対処できれば、仕事ができない人でも長く働ける業界だと思います。

銀行に向いていない人の特徴5つ

ストレスに弱い人

銀行は営業のノルマ、職場の人間関係、対顧客との付き合い等、ストレスがかかる場面が多々あります。ストレスをうまく発散できない人、ストレスに弱い人は不向きな仕事といえるでしょう。

勉強が苦痛な人

銀行は商品の勉強や資格の取得等、自己啓発が必須な業界です。

勉強自体を「苦痛」に感じるほど苦手な銀行員もまれにいますが、やはり日常的に必要なことなので、退職の原因の一つになることが多いです。

①評定に影響が出る

銀行では、任意の資格取得状況が、昇進に影響を及ぼすケースが多々あります。
最近では、銀行員の自宅学習用に『有料の自己啓発ツール』を導入している銀行もあります。

その中には本部で学習状況が確認できるものも多く、あまりにとりかかりが少ないと、自己啓発とはいえ、評定に影響が出る場合があります。

②スキル・知識に差が出てつらい

自己啓発できる環境が整っている分、進んで勉強ができる人とできない人の間では、やはりスキルや知識に差が出てきます。勉強をおこたっていると、上席からも他の人と比較されたり、自信がもてなくなったり、自分自身がつらい立場になりかねません。

勉強嫌いの人でも、最低限の資格さえ取得すれば働くこと自体は可能です。しかし自己啓発を「苦痛」まで感じるのであれば、勉強してもしなくてもつらくなるので、適性があるとはいいがたいでしょう。

法令遵守できない人

大切なお金や金融商品を扱う銀行では、ルールや決まりを守れない人は働けません。

慎重すぎる事務手続きも、法令に基づくものや、過去の教訓を生かして制定されているものが多く、軽はずみにルールを逸脱することは許されません。

特に情報漏洩に関しては厳密で、安易に情報をもちだせないことはおろか、家での晩酌等のプライベートでも社内で知りえた情報の口外はできません。

私たち銀行員は、不祥事を起こしたとき、会社員ではなく「〇〇銀行の職員」という肩書で報道されます。それだけ銀行員への社会的信頼感は高く、仕事上だけではなく、プライベートでも、品行方正な態度が求められています。

非効率な仕事が耐えられない人

「1円でもお金が合わないと帰れない」というエピソードに代表されるように、銀行はお金を扱う仕事柄、時には会社の利益よりもきちんと業務をこなすことが優先される業界です。決して「ごまかし」が許されず、どれだけ人件費がかかっても非効率でも、常に正確な事務が励行されます。

銀行員になると、『手続き面』と『人的な面』で非効率さを強く感じます。

書類仕事が多く、すべてダブルチェックが必須

その責任の所在も常に明確で、一人で完結する仕事はありません。

提出書類もすべて上席の検証印が必要です。近頃は銀行業務もペーパーレス化が進んでいますが、まだまだ書類仕事や印鑑・回覧が必要な仕事も多いのが実情です。

また、そうした銀行の事務手続きは本部で制定されており、個人に裁量がありません。そのため銀行では「ボトムアップで非効率な業務を改善しながら仕事をする」とのは困難です。

一営業店の個人が改善案を打診して、仮にそれが採用されたとしても、実務への反映にはかなりの時間を要します。

慎重で保守的な人が多い

働く銀行員自体も慎重で保守的な人が大半です。

誰かの鶴の一声で、異例な処理や業務がまかり通るようなことは決してありません。

むしろ少しでも情報漏洩等のリスクがある場合には、仮に制度があったり、現実的に可能でも、前例や本部の指示がなければ利用をしたくないと考える人が多いほどです。

ほかの業界では「なぜだめなの?」と思われるほど業務に対して潔癖かつ慎重なのが銀行です。それゆえの非効率さを許容できる自信がないなら、銀行員はさけたほうが無難でしょう。

自発的に効率化して、てきぱき仕事ができる人が好まれる業界はたくさんあります。

お客様と会社の利益との葛藤に折り合いがつけられない人

どの業界でも、営業職になれば目の前のお客様と会社の利益を天秤にかけなければなりません。
銀行は「お客様への貢献」「役に立ちたい」という気持ちで入社する人も多い反面、現実とのギャップをより強く感じて、やめてしまう人も多くいます

「慈善事業ではなく株式会社なのだから収益を求めるのは当然」「成果はあげなければいけないけれど、その中でもお客様にメリットがあるものを探そう」と割り切る自信のない優しすぎる人」は銀行を続けていくのがつらくなる可能性が高いです。

お願い営業が多い

銀行はお客さまの役にたてることが多い仕事ですが、まだまだ「お願い営業」も多い業界です。

ノルマのために本来必要とされていない融資を借りていただいたり、金融商品を購入していただいたり、本業の銀行だけではなく関連会社のクレジットカード販売のノルマが課される銀行もあります

「なんで関連会社の商品まで売り込まないといけないんだ」「本当にお客様のためになる仕事ができているのか」等、理不尽さや理想とのギャップを強く感じる人は多くいます。

現場と本部等との板挟み

『銀行の貸し渋り』というのは金融庁からも是正をされています。

しかし「銀行がお金を貸したい優良な会社ほど融資を必要としておらず、本当にお金を借りたい会社ほど、経営基盤が脆弱でリスクが高く融資が難しい」というジレンマは、銀行員が常に直面する問題です。

自分も良い会社だと思っていても、本部の融資の審査部門から稟議を通してもらえなかったり、いい金利が出せず金利負けしたり、お客様と会社の利益の間での葛藤を抱えることは多々あります。

多くの場合、銀行はすでに「貸してあげる立場」ではなく、収益のために「借りてもらう立場」になっています。そしてそうした「収益」を念頭において活動する銀行に対して、シビアな見方をするお客様もだんだん増えているのが実情です。

まとめ

いかがでしたでしょうか。

銀行は入口の採用人数も多く間口が広い一方で、やめていく人も多い業界です。

銀行へこれから就職しよう人や今やめたいなと悩んでいる銀行員の方は、
ぜひこの点を踏まえたうえで、再度ご検討いただければ幸いです。

コメント

タイトルとURLをコピーしました